体の中に
随分と昔に
突き刺された
刃(やいば)が
今になって痛み出す。
今まではずっと
長年
コルセットをして、
そこを動かさなかったから
痛くはなかったのだけれど
コルセットを外してから
動くたびにまた
痛み出す
その昔と同じ
刃がもう体の一部に
なりかけてはいるが
周りの錆と肉体の間を
剥ぎ取って
抜き取る作業は
まるで
刃(は)が刺さった時と同じような
痛みが走る。
今はその刃の立体的な残像が残った傷口に
薬を塗っている作業
同じような光景が蘇る
もうここにはないものを。
刃(は)が刺さった時と今の違いはもう
そこに刃(やいば)がもうそこにはいないということだけ
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