2015年4月10日金曜日

「黒猫少年とアリス」4

「僕」はここに居る限り
今の処
「何」の不自由もなかった。

贅沢さえ求めなければ、
毎日必要な事は給仕が世話をしてくれる。

そうだここが「暗闇」だという以外は
大概の事は「満たされて」いる。

いや、そうに違いない。

もっと他に生きる方法はあったのかもしれないけれど・・
今の僕にはきっとこれで「しあわせ」なのだ。(と思う。)

でも少女の姿を毎日のように見ているうちに
また、彼女のように、日の当たる場所で
遊んでみるのも
悪くはないのではないかと
ふと、思うようになって来た。

そして彼女はまた
夕暮の時間帯になると
「あ、ママが晩御飯を作っていた時間だし、お家に帰ろっと♪」
独り言のように言って
猫に”さよらな”をして、
帰っていくのだ・・

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