2025年4月20日日曜日

Bayswater Road under the Moon

その日の少年は、気分がよかったが、

次の日はまた元の気分に戻っていた。。

「僕の気分はまるでロンドンの空のようによく変わる。。」

少年はそんな気分だった。


そして、まだ10歳そこらのいたいけな少年が街中の路上で歌っていると、

そこにはマフィアやら、ジプシーやらの「人攫い」が多くいたり、

または監視員みたいなのがまたいて

少年を孤児院へと連れ戻そうとしたりするので、

本当は夜雨が少し降っても街角の

ストリートコーナーにある、ビルとビルの角の間に潜り込んで

猫と一緒に寝ていたい気分だったのに、

大抵の時は身の安全の為にもまた「Dust bin」の中で

猫を抱えて寝るしかしょうがない夜もこのところ続いた。


そしてあのお姉さんは時々少年の前を通りすがりに

まるで何でもないようにさっと小銭を置いていくことはあったが、

あの時のように少年に直接話しかけようとはしなかった。

いつも「遠くから見守ってくれている」ような気はしていたけど。

それが少年には少し寂しかった。

身寄りも何もない、猫ぐらいしか生きる拠り所のない少年。


雨に向かって上をむいて歌っているのには、

そんな寂しさや悲しさで泪が溢れ落ちるのを防ぐためでもあった。。


そんな夜は猫を抱いていてもとても寂しかった。

そして猫もそこから時々出ていって戻らないこともあった。


ある朝少年は、上の扉が突然開いて、ドサッと大きなゴミの袋が落ちて来た時があった。

「ギャーッ!!」と言うと、

入れた人が驚いて逃げた。


「もうこんな生活嫌だ。」と思うようになった。

そして長らくお風呂にも入っていないことを思い出した。


少年は田舎の割といいお家の子だった。

そんな自分がこんな姿に落ちぶれてしまって、と

憐れみを通り越して自暴自棄になりそうだった。


そんな時の夜、あのお姉さんが道を歩いているのを見かけた。

どうやら職場近くで同僚とレストランか何か行った帰りだったらしい。

お姉さんはいつもより少しおめかしをして、

ヒールのある靴を履いて素敵なバッグを持っていた。


少年はスーッと吸い込まれるように、

そんなお姉さんの後を着いて行って、

お姉さんが乗ったHop inできるDouble Deckerに一緒に後ろから乗り込んだ。

お姉さんは少し酔っ払っているようで、眠気を誘っているのか

少年には気づかなかった。


その頃はまだ1990年代のロンドンで、Hop in & outができたから、

少年は無銭乗車はお手のものだった。


そしてそのバスは、ハイドパークの北側のBayswater Roadを東へと走っていった。


Notting hill gateに着く少し前にお姉さんがバスから降りた。

そして少年も同じく降りてみた。


そこは、高いマンションの多く連なる高級住宅地の一角だった。

田舎者の少年にとっては初めて来るような場所だった。

そして真ん中には大きな鍵付きのPrivate Squareがあって、

その周りの住人しか中には入れない。

その中には大きな木々も茂っていた。

そしてお姉さんはその近くの石畳のある可愛らしい中世の建物の残る通りを抜けて

自分のマンションのあるそんなスクエアに向かっていた。。


夜でも周りはボーッと街灯の光が灯っていて、

月と同じ色の光を放っていた。


少年が住んでいるような、危なっかしい中心街とは違い、

夜でも安全そうな場所だった。


そしてお姉さんはその中の表に階段のある建物の一つに入って行った。

そしてお姉さんが入って行ってからしばらく経って、

マンションの上の方の階の部屋の明かりがついた。

「ああ、あの部屋に住んでいるんだな。」と思った。


そして外のドアベルでその部屋の場所を確認してから、

少年はまた自分の来た場所に帰ろうかと思ったけど、

もしかしてここで一夜明かした方が身の安全を保てるかも?・・とも思った。


そしてその建物のドアの前で一晩を明かすことにした。

階段の上にはちょうど柱や囲いがあって、姿が外からは見えにくかった。


「いいな、こんなお家に住めて。。」

少年は静かに、月夜の下でそう思った。。


そうすると少年はこんな夢を見た。。

誰かが夢の中で、

「満月の夜に近くのHolland Parkの森に行くと、

森の奥にいる幾千もいる白ウサギたちが

一斉に月の光を浴びて発光して、

空に飛び立つんだって・・」

そんな声がしたんだ。。


そして少年はそれを自分も見に行きたいと思った。


誰かの夢を自分も見ているような気分だった。。


そしてそれを見たら自分もしあわせに飛び立てる気がしたんだ。。


その夜はほんのりと温かく、

まるでいつも傍にいた白猫が、月光を浴びて

真っ白の綺麗なふわふわの白うさぎのような毛になって

それを抱いた少年のお腹を温めているようでもあった。


とても、不思議な気分。。


そして少年はそのウサギになった白猫に

"  レラ "という、ある少女の名前をつけた。

「夢の中で誰かがそう耳元で囁いたんだ。。」と言って。。


その晩は少年はまるで居なくなった母親に抱かれているような気分になって

丸くなって、朝までぐっすりと、久しぶりに眠った。



" Silent Moon ~ Run Rabbit Run "

Asylum

The Next Day - " One Fine Day "..

翌日、お姉さんはまた

仕事の合間のランチ・ブレイクに

少年のいるCovent Gardenの街角までやって来て

遠くから少年が唄う姿を見ていた。


少年はいつもの場所で少し唄った後、

少しその場所から休憩を取りに立ち去った。


そして彼女は、直接渡すのは少年のプライドを傷つけるかもしれないと思って、

ミルクの箱を少年の歌っていた目の前の

小銭が置いてあった場所のすぐ横に急いで置いて、

少年が帰ってくる前にと、そこからすぐに立ち去った。


すると少年は近くのグロッサリー・ストアから帰ってきた。

そして着いてみるとビックリした。

そこには今日自分がやっと手に入れることのできた

昨日買い損ねたミルクと同じ箱が置いてあった。


少年は自傷しながらフッと笑った。

「きっとあのお姉さんがきたのだろう。」とそう思った。

そう思って遠くに目をやると

お姉さんの着ていたのと似たトレンチコートの裾が角を曲がるのが見えた。

「他人の空似かもしれないけど。。」

でもきっと彼女のような気がしたのだ。


「ミルクの箱が二つになったよ。」そう言って彼は猫たちにも分け与えた。


「世の中にはまだこんな自分のことを気にかけてくれる人がいるんだな。。」と

ふと少し優しい気分になれた。

そして昨日彼女からもらった2ポンドで、ビスケットも一箱買えることができた。

いつもは美味しくない長期保存ミルクも今日はそこに少しビスケットを浸して食べると美味しかった。

分厚いロンドンの暗い雲の間から、一瞬明るい光が差した気がした。


「気のせいかもしれないけど。。」

でも少し少年は自暴自棄で自虐的だった気分から少しは解放され

明るい兆しが見えた気がした。

「ほんの一瞬だけ。。」


そして今日は少しだけ明るい気分の歌を歌おうかとも思った。

それが長続きしないかもしれないとは知っていながらも。。


「こんな僕でも夢を見てもいいですか?・・」と

少年は小さく、そう小声で言った。



" One Fine Day "

Gazelle

Sleeping in the dust bins..

 少年は女性が店の中に入って行った後、

怖くなってその場所を離れた。


そして猫が消えて行ったであろう暗くて細い路地裏に向かって駆け込んで行った。


猫はすぐに見つかり、「にゃお」と言いながら

少年をある場所へと導いて行った。


それは大きな「Dust bin (ゴミ箱)」のある場所。

イギリスではこのような上から開け閉めできるプラスチック製のゴミ箱に家庭ゴミを入れて

そこに収集に来る。


猫はその場所が狭くて暗くて、人から見えず安心できる場所として好きであった。


少年はその場所は、よじ登って入ることのできる場所でも

やはり臭いのが嫌であった。

自分にも臭いがつくし。。


でもさっきの女性が「おーい!坊や!」と遠くで叫んでいるのが聞こえて、

怖くなってそのDust binの中に猫と一緒に隠れた。


「にゃおん」と鳴きそうになる猫の口を押さえながら。

彼女の声が遠ざかっていくまでじっと待っていた。


少年はあの後店で女性と店主が口論になっていなかったかどうか

気が気でなかった。。


もう売ってくれなくなるのも困るが、

それ以上に店主は暴力的だった短気な父親像を思い起こさせた。

いつも何で爆発して暴力を振るうかどうかわからない父親。


そんな父親の罵倒する声が店主の声と重なって、

怯えながらゴミ箱の中で震えた。

「もうやめてくれ」と心の中で叫びながら。


外は雨が激しくなって、

その日はもうそれ以上外には出れなさそうだった。


お腹の空いた少年は「くう」とお腹がなった。

横ではグルグルと喉を鳴らした猫が少年の顔を舐めてくれる。

初めて味わった「家族」のような感覚だった。


そして少年はぎゅっと猫を抱きしめた。

少年が気遣っているのがわかったのか、猫も嫌がらなかった。

するとずっと少年の腕の中でグルグルと言い続けた。

猫もきっとあったまってきたのだろう。


臭くて汚いゴミ箱の中がまるで天国の中の温かいお家のようだった。


「マッチが消えませんように。。」と少年は願った。

そして雨音が激しくなるにつれて

まるでその音が子守唄のように

少年を夢の中の世界へと誘った。。

今は存在しない母親のいた頃の「しあわせな日々」を夢見て。


少年が買おうとしていた保存のきくミルクは

いつもこの猫と一緒に分け合っていたものだった。

そのミルクだと、長持ちもするし、少年も猫もお腹の足しにすることができたからだ。


お姉さんはまだ少年を探していた。

辺りはすっかり暗くなって人通りもまばらになっていた。

手にはまだその「ミルク」の箱を持って。


彼女は結局少年を見つけられずにその日は帰った。

翌日また”いつもの場所”で、会えることを願って。



" When the river knows part 2 "

Asylum

Singing in the rain Out in the Street of London

そしてある日、雨の中で少年がその歌を唄っている時、

ある20代後半の女性が、傘を差しながらもその少年の歌をじっと聴いていた。。

彼女もまた、少年と似たような思いをしたことがあったからだ。


そしてその少年の歌を聴いて彼の人生を思った。。

「この子もまた自分と同じような悲しい経験をしたのかもしれない。。」と。


お姉さんは綺麗なトレンチコートを着て、

仕事場へと向かう途中だった。

彼女の働く職場は煌びやかであった。

無数の金持ちたちが集い、そのお金を優雅に使う場所。


そんなブティックやファッション業界のデザイナー事務所やモデル事務所の

立ち並ぶCovent Gardenの街角にあって、

少年の歌や存在はとても対照的であった。


その業界の人々は皆、関わることを避けていた。

「ああまた、あの小汚いジプシーの子が唄ってる」とでも

思っていたのだろうか。


その唄は、しみったれたロンドンの

幾重にも重なったどんな光も通さないような分厚いグレーの曇り空に

ある意味、よく似合っていた。。

「観光客」が聴きたいような

" Top of the Pops " で演奏されるような流行りの「ポップソング」ではなかった。

そして誰もが足早にその前を通り過ぎていく。


そんな情景がまた彼女の胸を打った。

時々そうやって立ち止まって遠くから歌を聴いて、

その後、通る時には少し小銭を置いていった。

でも少年はまるで目が見えないかのように

彼女の存在を見ないようにして宙を向いて歌い続けた。

「泪がこぼれ落ちないように。」と

心の中で憐れむ自分自身に言い聞かせながら。



" Out in the streets "
Asylum





そしてその日も、少年はひとしきり歌い終わると、

いつものようにほとんど空に近い目の前に置かれた散らばった小銭を拾い集め、

下を向いて、近くのグロッサリー・ストアへと向かった。


そこの店主は意地悪で、

そうやって観光客から「稼いでる」小汚い浮浪者たちが大嫌いだった。

そして少年が一度猫を抱いて入店しようとすると、

「病気にでもなったらどうするんだ。汚いから外に置いて来い。」と

顎を使って、指図した。


白猫は特に神経質だったため、

外に置かれると、外の人間たちに怯えすぐにどこかに行って隠れてしまう。


そして少年がいつものように猫を外に置いて店に入って買い物をしようとすると、

小銭を数えたら、1ペニー足りなかった。。


いつものイギリスの中であれば、1ペニーくらいまけてくれるのが当たり前のようだったが、

この店主は意地悪をして1ペニーでも足りなければ商品を分けてくれなかった。


「今日はこれしかないんです。」と少年が悲しげにいうと、

「明日また持ってこい。」と言って、少年を無視した。

少年は泣きそうになって外に出たが、猫はまた路地裏の方に隠れて行ってしまっていた。


そして少年は店の少し前の地面に座って、声を出さずに下を向いて泣いていた。

するとあのさっきのよく歌を聴きにくるお姉さんが声をかけた

「どうしたの?」と。

すると少年は「お金が足りなかったから買えなかった。」と小声で言った。

そして女性は少年の手の中に「2ポンド」のコインを握らせ、

自分はその店の中にズカズカと入って行った。


少年は少し怯えてそれを見ていた。

また今度は店主が少年に何も売ってくれなくなっても困るからだ。


女性は店主に荒だった様子で、「さっきこれぐらいの少年が来ませんでしたか?」と

少年の背丈ぐらいを腕で示して店主に差し迫った。

すると店主は少し驚いた様子で「ああ、来たとも。」と言ってみせた。


女性は「何を買いに来ましたか?」と聞いた。

すると店主は、遠くにある棚を指差して、

「あの保存の効く牛乳のパックだよ。」と言った。


そしてそれを掴んで女性はまたキャッシャーに戻ってきて

「いくらですか?」と聞いた。

「1ポンド99ペンスさ。」と言った。

少年が持っていたのは今日は1ポンド98ペンスだった。


「なんてことをこの人はするんだ」と思って

商品代をきっちりと払った後、女性は腹が立って外に出た。

少年の姿はもうそこにはなかった。

Thousand Tragedies falling down from the skies ...

「 無数に降ちてゆく「哀しみ」を見ている。

それはキラキラと輝く星屑のようであったと。。」


あのロンドンの街角で、

雨の中で唄っていた少年は逝った。。


雨に濡れて煤けた毛の長い白猫を抱きながら、

街角の隅で雨に打たれながらも眠っていた

自由に言葉の発せれない少年。。


「こうするとあったかいんだ。。」

少年はあとで私に語った。


誰も見向きもしない街角で、

少年はいつも小雨の降りしきる雨空の

宙に向かって歌を歌い続けた。。


時々、猫にご飯を置いていく人はいる。

小銭もくれる時もある。


しかし、少年は人々と目を合わすことも

「ありがとう」という言葉を返すこともできなかった。

いつも宙に向かって自分の歌を唄っているだけ。

なぜならそんな風には少年の人生から居なくなった母親は教えてくれなかったから。。

そしてそれまでの少年の経験したことの中で、

これ以上人を信じることができなくなっていたから。

少年の心は固く閉ざされていた。


でも、冷え切ったキャットフードを猫と分ける時は悲しかった。

「どうして僕はここにいるんだろう・・」と思った。


「こんなに悲しい気持ちになるために

僕は生まれて来たんだろうか?・・」と。



" Thousand Tragedies "

Asylum


" Days in the orphanage and the train to Covent Garden "


孤児院の日々も思った。

そこは母親の失踪後、母親に似た少年に暴力を振い続けた

父親のいる実家よりも良いところではなかった。

少年の躰は、家にいた時よりも無数の傷がついた。

それは後には消せないものであった。

心の傷が何よりも深かった。


孤児院の教官も、女性であっても冷たい人ばかりであった。

その人たちも「なぜ自分がこんなところで働いているの?」と思っていたからだ。

彼らは子供達にも、まるで豚に餌を与えるように冷たく当たった。


子供達が他の子供達に虐待されていても、

もしくはレイプされていても見てみぬふりをした。

なぜなら彼らも「その一味」だったから。


飯も不味く、ベットも硬く、最悪だった。


「もうこんなところにはいられない」と思った。

だから少年は意を決してそこを出た。

もう他に帰るところはないことを知っていた。


自然と躰は地下鉄に乗り、

ロンドンの中央まで無賃乗車して、そこで降りた。

少年の躰は小さく、その躰は改札口をすり抜けられたから。


そして「 (Covent) Garden to Westminster Abbey (Haven)」と名のつく

観光地のメッカの街角で得意の歌を歌うようになった。

なぜなら少年は言葉はうまく発することはできなかったが、

歌うと自分の気持ちをすらすらと歌にして歌うことができたから。


その少年の歌は、宙に舞いいつも悲しかった。

誰も彼のその言葉や悲しみを理解できるものは少なかった。

人々は「頭のおかしくなった少年」と思い、

この小汚い浮浪児を

見て見ぬ振りをして、聴かないことにしていた。


なのであまり稼ぎも良くなかった。

猫が時々、少年が貰った食べかけの食べ物を貰いにきた。

彼らは少年が汚くとも、言葉がうまく発せられなくとも

少年に懐いてきた。


彼らも同様にお腹が空いてしょうがなかった。

そしてその中にいた毛の長い白猫は、

少年と同じように煤けていて、雨でその毛はしっとりとしていた。


「同じ境遇だね。」と少年は思った。


そして雨の中で、少年は歌い続けた。

「誰に向かって唄っているのかわからないような歌」を。。


人々は少年の歌を聴いて、

「また、雨がやって来たように」

自分たちの中にあるまたその悲しくて寂しくなる気持ちを

掻き立てられたくなかったから、

その耳を塞いで、聴こえない振りを続けていた。。



" Leave me alone "

Asylum


" A boy singing in the rain in London Town "  no.1 & 2  ( with a white tailed cat )

2025年4月14日月曜日

A boy on the footsteps.

It was the hazy days of in the beginning of the early spring.


The air was still frosty, but you could sense the arrival of spring in the cracks of haze. 

And I met him on the footbridge where you can see " the  Tower to the Sky " in the distance.


I saw his golden hair blown by the gentle spring wind, seen through by the spring light behind his back.


He was on the foot steps..


Hazy days were finally gone

and the dark days in the long lasting winter began to disappear ..


It was 1988 while the city was making so much noises

in the middle of the Bubble economy.


Spring was about to begin..


https://mthroughthelookingglass.blogspot.com/2013/05/time-goes-back-and-forward.html

色は匂へど散りぬるを。

『 いろはにほへと ちりぬるを

わかよたれそ つねならむ

うゑのおくやま けふこえて

あさきゆめみし

よいもせず


色は匂えど 散りぬるを 

我が世誰ぞ 常ならむ 

有為の奥山 今日越えて 

浅き夢見じ 

酔いもせず。 


: 花の色は鮮やかだが

いつかは散ってしまうように

この世の中で誰が変わらずにいられるだろうか。

無常のこの世を

山を越えるように今日も生きてゆき、

儚い夢など見まい、

酒に酔ったりもすまい。』


( 『色は歌』 作者不明 )


Own interpretation :

桜の花の色は

冬から目覚めたばかりの風景には鮮やかだが

いつかは花吹雪となって散ってしまう。

そんな浅い夢をいつまでも見て

酔いしれてばかりいるのではなく

変わりゆく季節の中で

我心の移ろいを受けとめて

これからは、恋もせず、生きてゆこうではないか。

たとえそれが心の中の現実とは逆行しようとも。

浅き夢見し。

『 あさきゆめみし 我が恋は 春霞へと 消えてゆく。。』


春の天気はうつろいやすく

心変わりしやすいことはわかっていても

また私を12年前のあの時のように

春霞の「夢の世界」へと誘なおうとする。。


「浅い夢」を見るのは危険とわかっていても。


April 1st, 2025 ~

After 12 years ~ returning into the hazy days of spring..~

12年の月日を経て、

私はまたここに戻ってきた。

あの時と同じ「春霞の中の夢」をたずさえながら。。


I'm returning to where I came from just about 12 years ago 

when I was swallowed into the stream of my past.


It was the hazy days of early spring.


I was drowned in the shallow icy cold water on streams 

with the fallen petals of cherry blossoms, 

just having been blown away from the trees 

by the gusts of the mean spring wind 

in the frosty air.



I'm slowly fading away into my dreams that I dreamt.


I wake up on the pale pink bed petal of cherry blossoms on my bed once again.


It is not icy cold any more.


Hazy days are almost gone ..


Spring has begun.


https://mthroughthelookingglass.blogspot.com/2013/05/time-goes-back-and-forward.html