昨日の雨の晩に
誰かが
「家のドア」を
「ノック」した。
まさか最初
「風の悪戯か。。?」と想ったけれど、
もう一度「どんどん」と音がしたので
「開けてみた。」
すると「ドアの向こうには」
「ずぶぬれになった」
男物の紺色のレインコートのような
大き目のコートと
古びた「旅行鞄」を持った、
「男の子」が立っていた。
「あの」ロンドンの街角で
「いつも」逢う、
「あの少年」だった。。
私は面喰ったけれど・・
「いつも」「おいで」と言っても
「頑な」に
あのすすけた「通りの」隅っこから
「動こうと」しなかったのに。。
「いつも」猫を隣に抱いていた。。
「雨の日でも」寒くならないように・・
「どうしたの?・・」って
「私は聞いてみた。」
(「どうやって家がわかったんだろう?」とも想ったけれど・・)
「お姉さんの後を
ついてきちゃった・・」って言った。
たぶん「別の日に」
「無言で」嫌がってたけれど
「あとを」ついて来てたらしい・・
「猫は?・・」って聞いた・・
「そこ」にいたかったのは
あの「猫ちゃん」を離したくなかったからっていうのも
あったみたいだから・・
「独りぼっちになると」
「しんぱいで」・・
「うん・・」といいながら
少しうつむきかげんになって
「死んじゃったんだ・・」
ってぽつりといった。。
「え!?・・」って私は
一瞬声が出なくなったけれど・・
まるで「たった一人の」肉親のように
じぶんの「分身」のように
「飼っていた」猫ちゃんなのに・・
「うん・・でも
雨の日に側溝に落ちちゃって、
”死んじゃったんだ・・”」って彼は
ぽそりとひとりで言った。。
でもそんなに気落ちしてなさそうにも見えて
「だいじょうぶ、ここにいれば?」って
思わず、「ことば」が先に
考えるように出て、
その「少年」の
「足元」が泥で汚れてて、
少し寒さに足が震えてるようにもみえたから、
「中に入って」って
首を中の方に振りながら、
「手招き」をして
「入れてあげた。」
そうすると「素直に」
「ありがとうございます。
お邪魔します。」と
アタマを「ぺこり」と下げて、
その重たい”しずく”の垂れた鞄を持って
中に上がろうとした。
足もどろどろで
躰も汚れてて、
雨にも濡れてたから
ちょっと「自分でも」
躊躇いながら
玄関に入って来たけれど
「その」コートを取ってあげて
「さあ」って言って、
「家の中」に上げてあげた。
「家の中」をみるのは
「ほんとうに」久しぶりだったらしく
さいしょは落ち着かないように
「きょろきょろ」していたけれど・・
「汚れてるから・・」って言ったけど
「きにしないで」って言って
「靴下」を取ってあげて、
「足元」だけタオルを持ってきて
「拭いてあげる」ことにした。
「ありがとう・・」って言ってたけれど・・
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