2013年6月20日木曜日

おかあさん・・ A Tiny broken heart of Nori ~ " In My Wonderland " no.21 ~

しばらくして「ごめん・・」って、Noriの口からその言葉が最終的に漏れた時、
アリスの心は”いつも”に戻って、すこし”ホッ・・”としたけど、
ちょっとそのふり払われた手は、”いつもより”痛かった。。

暫くじっとしてから、今度は、Noriは”そんな姿”でリュックの前の床に腰を下ろしはじめた。。

そんな姿をGOLDもベッドから立ち上がって見ながら、Noriの前に立って、「じい・・」と見ていた。

「(こんな時って、男同士の方がいいよね・・)」って、なんとなく、アリスは想った。

そのままGOLDはNoriの方に近づいて行って、下を向いて頭を垂れて、なんだか必死でまた泪をこらえてるように見える、(そして「”そんな姿”をアリスには見られたくはない」、と想ってるような姿で・・)Noriの横に自分も腰を下ろして、あぐらをかきながら、後ろからそんなNoriの”右肩”に手をやった。。

「泣くなよ・・」っていいながら、ちょっと”おとこどうし”の友情風に。
NoriはNoriで、そんなGOLDの言葉に反応しながら、まだ下を向きながらも、その”差し伸べられた”手の上に、じぶんの反対側の手を乗せて、それに答えていた。。なにもいわずに。。

そしてその”三角座り”していた、両膝を広げて、そこにじぶんの”あたま”を持って行ったまま、
下を向いて、声を押し殺して、泣き始めた。。
もうアリスも何も言えなくなった。。”そんなNori君の姿・・”て。。

GOLDは、そんなNoriの姿にも、ずっと”その”Noriの右肩に乗せた手を、その間外さずにいたけれど・・

暫くして、Noriも自分の気持ちが、”みんな”の前で”泣いた”ことで、落ち着いて来たのか、
しばらくすると鳴き声も、ちいさな嗚咽も、その下を向いた顔の下からはあまり聞えなくなってきた。。

”しずか”に下をまだしばらく向きながら、両膝をだらんと、その時には両方のサイドに降ろしてたけど。。
また声を発した時、Noriは、何が”昨日”起こったか、やっと語り始めた。。
まだ少し”その感情”は抑えきれないようだったけど。。


”- 学校からNoriが家に帰った後、夕方の早い時間だったけど、家に父親が来ていた。。

そしてその父親が母親としばらく簡単な話をしてから、あまりにもそっけなく”首”を振って”父親”が帰った後、母親が発狂して、”もう離婚するから!!!”と言って、じぶんの近くにあった家の物を投げとばし、Noriにも”当たる”勢いで、家の中をそこら中荒らしまくり始めた。。。

1人っ子で、兄弟もいないNoriはいつも、とっても”お母さん子”ではあったんだけど、
いつもそんな感情に任せて生きる”母親”の感情の波を、その”やさしさ”のせいもあり、いつも”想いっ切り”全身で受けてしまう損な”役”を”引き受けて”しまっていた。。

そんな母親の姿を見て、またいたたまれなくなって、”父親”の気持ちもなんとか”わかって”いたから、そんな大好きな”ふたり”が離婚するなんて、ほんとうにやっぱり辛くて、口から心からのことばが先に

”ねえ、おかあさん、そんなこと言っても、やっぱり一緒にいてよ・・。”

って出て、その”じぶんの本当の気持ち”の声を言葉に振り絞って出して、じぶんでも”やさしく”相手に掛けたと想った瞬間に、

その手を掛けた母親の肩の向こうから、(予期せぬ)”平手打ち・・”が返って来て、

「あんたは何もわかってない!!!」って右頬を思いっきり、強烈に叩かれた・・

そんなにいつも感情をNoriの前では”あらわ”にしていても、いつもは本当は”やさしくて”
可愛がられて、撫でていてくれる母親の手が、まるで心を刺す、”凶器”に変わったように、今までで一番痛い平手打ちで、Noriのちいさな繊細で”壊れそうな”ガラス細工のような心にはまるで”ヒビ”が入るような強さで突き刺さった。。

「仲良くしてもらおうと想ったのに・・」、自分がまるで悪いことをした気がなかったのに、
そんな母親の反応には、”心底”びっくりした。。
「おかあさん・・・」って言おうとしたけど、びっくりしたままもう声がでなかった。。

そんな痛み出した”頬”を右手で抑えてたけど、母親が台所の方に行って、
冷蔵庫から、冷えたワインを取り出そうとしてたので、「もうだめだ・・」と想って、
そのまま、手で頬を抑えながら、じぶんの部屋にもどった。。

そして部屋に行った後も、相変わらず、母親はワインの蓋を開けて、凄い勢いで飲んでいるようで、
そしてまた酔った勢いで”父親”に電話して、”罵倒”している声が聞えた。。

もう”耳”をふさいでも、”そんな”声が、まるでそれに”反応”している父親の声までもが、自分の中にも響いて”聞えて”くるようで、自分の胸を刺した・・ さっきの母親の”平手打ち”といっしょに。。 もうじぶんのガラスの心が、壊れていくような、「あぁ、もうこんなこと聞きたくない!!・・・」って。。

なんかそれと”同時”に、それまでじぶんの中にあった、”父親”と一緒に、しあわせに三人で暮らしていく”っていう、はかない”夢の像”がじぶんの中でも音を立てて”崩壊”していくような気がしていた・・ ああ「もうダメだ・・」って想って。。 -”


「もうそれからはよく覚えてない。。」って、Noriは言ったまま下を向いて口を閉じた。。

そしてその日は、学校から帰った後、母親がいなくて、その日は早く帰ってこないことを見計らいながらも、学校にいる間ももうその間誰にも話さずに、そのことで頭の中がぐるぐるぐるぐるしていたから、もう頭で考えることなく、”先”に身体が動いてて、もうすぐに荷物をまとめて、「出て行く」ことを決めた。そして「行き先」はもう決めていた。。

そしてここ”Gray Moor(グレー・ムーア=灰色の荒野)に”アリスとGOLDを”訪ねて”やってきたのだ。。

”アリス”とは、この間の事で、”ちょっときまずい”かとその前には自分では想ったけど、もうそんなこと自分の頭の中では吹っ飛んでいた。。もう「この二人」に会いたい一心で。。
「そこから早く逃げたい!・・」て、必死にねがって。。。

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