2013年6月2日日曜日

Gray Moor..

Noriは保健の先生から、アリスの症状を聞いて、そのアリスの入院先までも聞いた。

そこは街里からは離れている場所に立っていた。

遠く山の方の、県境の夕日が見える辺り・・

母親に車でついて来て貰えないか、アリスのことを心配して言ってみた。

「だれその子?同じクラスの子?」って母親は聞いたけど、「いや・・」と言って、階段で”ぐうぜん・・”話しかけられてからよく話すようになった年下の女の子だと告白した・・
すると母親は「はは~ん。”ガールフレンド”ってやつですか?」とちょっとちゃかしてたけど、「可愛いの?w」って聞いてみると、ノリアキは「うん。。w」ってちょっと間をおいて、照れながら下を向いて言ってみた。
母親はまたノリアキの頭に手をやってふりふりしながら、「こいつ~今まで言わなかったなw お母さんを差し置いてw」と冗談っぽく言ってみたけど、そんな母親を見ながらちょっと照れくさそうに上目づかいでみていた。「ノリアキはその子のことがとっても気になるんだね。。」と言って、今度の日曜ならいいよ、と言ってくれた。

母親が保健の先生からノリアキ経由で貰った住所はかなり山奥のへんぴなところで、「なんだかへんだな?ちょっと。・・」と想いながら、車で朝から行く準備をし始めていた。母親と父親は別居中で、時々帰ってきては”喧嘩”ばかりしている。この日は父親には会う予定もなくて、母親がいつもより”落ち着いてる”時間だった。

その日はすこぶる天気がよかった。空も青々としていて、すじ雲がちょっとあるだけで、遠くの緑がきれいだった。鳥が”ぴ~ひょろろん~・・♪”と市内ではとても見えないような、”自然”が広がっていた。。「なんか、気持ちいい所だね。。」ってなんとなく独り言のように母親に、車の助手席から景色を見ながら言ってみた。「そうね。。・・」とだけ母親は答えていた。

「グレイ・ムーアか・・」
お母さんがちょっと言ってみた。
「なんかヘンな名前だね。。」って。
「・・どういう意味?」ってノリアキは母親に聞いてみた。
母親は英文科で昔英語の通訳もやってた事がある。
「うん・・なんだかね。ちょっと病院につけるにはちょっと”ヘン”な名前だと思って。。これがスペル合ってたりるとすると、「灰色の荒野」っていう意味になっちゃうんだけどね・・・」
そして、「ってなんだかわざと不吉な名前を付けられてる感じがして嫌だな、って。。」
その後少しおいて、ノリアキを安心させるためにも、
「ま、”気のせい”だといいんだけどね・・日本人何でもカタカナにしたがるし・・」 とそっと付け加えておいた。

Noriはもう、保健の先生から聞いた、「アリス」の症状が「ふつう」でないこともわかっていた。
でも先生とも”やくそく”したので、アリスのことはできるだけ、”ほか”のひとには云わないようにしようと思っていた。母親でも・・ まだ、彼女のことを考えると。
食べたものを”ぜんぶ”吐いてしまう。。それも家に帰る前に。。

そんなNoriはいろんなことを頭に描きながら、母親の声にも、あまり反応せずに、じっと無口になって、助手席に座っていた。なにか”じっと”自分の中でアリスの”今”の状態を淡々と、しぜんに色々と想い描きながら・・

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