アリスの”今”見た光景・・
まるでそれが”ホンモノ”だったかのように・・彼女の夢の中で、
その槍のように降る細かい水晶の破片に突き刺さって、とめどなく泪を流している、”Nori”の姿を見て、今”現代”の”アリス”は想う・・
”ああ・・・、あの時、あんなに痛かったんだ・・。”って。。
20年前に”置き去り”にした、自分のほんとうの”初恋”だった男の子が、今勇気を振り絞って彼女の”夢の中で逢いに行ったら、””そこ”で泣いている。。
そして記憶のちっちゃい木箱を、また一緒に”旅”に出る前に渡された・・
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初めて夢の中でノリアキに、どうしてもまた逢いたくて、勇気を振り絞って”逢い”に行った時、最初彼の「お母さん」に”ノリアキは、昔あなたのことが本当に好きだったのよ。”って言われた。。 正直、本当に”びっくり”した。。”そんなこと想ってたなんて・・”想像もしていなかったから・・
その後にしばらく黙ってからまた逢いに行くと、”でも、あなたのことでもう十分傷ついたから、あの子の為にももう逢わないで・・”って、そう言われた。。
”そんなに好きだったなんて、”今”まで知らなかったよ・・”、と”今”になってアリス。。
幼少期に”傷ついた”心を持った、”アリス”は、”人”から愛されることを知らず、ずっと家族にも自分の内面を”自己否定”されつづけ、家の中で他人の目に触れず、肉体的な父親やそれを煽る母親の暴力による虐待も受けていた。。「ほんとうのじぶんのすがた」をちょっとでも表に出すと、虐待され押し込められてきた幼少時代のアリス。。
本当の自分の姿を認められず、そこからやっとの想いで”逃げて”きて、その後も人の自分に対する”こころ”や”愛情”をしらずしらずのうちに、”じぶん”の中で肯定して受け入れることができなくなっていたのだ・・
「自分自身」を愛されることをしらず、自分自身も愛せることも許されない「じぶんじしん」であったために。 「人からそのままで愛されること」がじぶんは”不可能”と感じていたから・・
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”あの時消えちゃってゴメン・・”
そう、やっと想った・・”結婚しよう。。”って言ってくれてたけど、
それがずっと「うそ」だと想っていた・・
そしてそれがいつか本当は”嘘”だったと気づくことがコワくて、先に傷つくことをおそれて、”彼”の前から永遠に消えてしまっていたのだ・・
そして最近になって何故か、ノリアキの”今”のことが無性に気になって、”夢”の中で思い切って逢いに行くことにした・・
そしたら、あのNori君の、”お母さん”が出てきて、そう忠告された後、Noriと逢おうと一歩踏み出そうすると、彼の前で、何十個の扉がスゴイ勢いで順番に”アリス”の前で横にスライドして閉まってしまってしまう。。そしてNoriは、目を下に向けたまま、アリスの方はみないで、怒ってる風で心を閉ざしながら、どんどんと、扉が閉まるごとに座ったまま”奥の部屋”に行ってしまう・・
”なんで、そんなに怒ってるの?・・いかないで・・”って想っても、
Noriの顔は遠くで、悲しくて寂しそうで、そしてアリスにはもう”心”を向けたくないと想ってるみたいで、またずっと苦々しく”下”を向いて目を合わせずに座っている・・
そ して扉がぜんぶ閉まっていく先の、いちばん最後の部屋にいるんだけど、アリスはやっとそんなNoriに”Nori君・・”って、また遠くから声を掛けてみた・・。彼に彼女の声は届いているのかわからないけど。聞えてて聞え てない振りをしているような・・泪を浮かべながら。。。それは悔し涙なのか悲しい泪なのかはわからないけど、アリスの瞳には、見えてるような気がする。。
”なんで、こんなに逢いたいのに・・”って想ってるのに、じぶんの思いはどうしてもノリアキには受け入れられないようだ・・
―――
頑張って、もう一度、彼の家の前の扉の手前にいるお母さんに聞いてみた・・
すると・・
「あなたはまた、ノリアキの”心”を支配したら、それに満足してあの子をまた捨ててしまうからダメ。」とこんどはハッキリ言われた・・
今度は、少し「お母さん」が、”買い物”に出て行った間に、どうしても”逢いたい”アリスは、その隙に”家の中”に入って、Noriの元に直談判しに行ってしまう。。
心を閉ざしてしまって、”自分の心をかんじる”ことさえもやめてしまった、まるでちいさな”小鳥”のように見えて、それまでの”アリス”が知ってるNoriとは”別人”のように、とても暗い気持ちで辛そうにみえたから。。
「そんな風にいままで生きてたなんて・・」って、アリスは想った。
そして思い切って、Noriに話しかけて、 「それで今本当にしあわせなの?」って、聞いてみた・・
それからまたNoriの瞳から大粒の涙がこぼれそうになった。。
そして、さっきお母さんに最後に”また逢うことを反対された。。”言われたことを言ってみた・・ するとNoriは、初めてアリスの方を見て、泣くのをやめてから、ちょっとだけ間をおいて、
今度は「一緒に逃げよう・・」って”泪”を振り払って、手を取って言った・・
その顔は”20年前の”あのアリスを見ていた時のようなやさしいNoriの顔に少し戻っていって
あの頃”父親の虐待”から逃げたがっていたアリスを”連れて”出ようとした、Noriとはまた逆の立場で、彼の「お母さんの反対」から、アリスの手を取って”ここから一緒に逃げよう。”って。。
―――
でも、そんなアリスにNoriは、どうしてもその出発の前に渡して”見せたい”モノがあった。。
それは、ちょっと宝石箱のような、まるで海賊が”海の底”から引き上げたような、木の小さな”宝箱”だった・・
アリスに、「これ、どうしても先に開けて見てみて ・・それからじゃないと。。」って、また躊躇うように、言って来た。。今度は少し傷ついた様子でも、前よりは”やさしく”。。ちょっと辛そうなようにどうしても”アリス”には見えたけど・・
「これなに?」って言ってみたけど、「いいから・・」と言って、それには”まるで”合わないような、大きな”鍵”を手に握って渡された。そのまま、そのちっちゃな”鍵穴”に差そうとすると、”まるで”吸い込まれるように、”鍵”の先がちっちゃくなって中に入って、廻してみると、その箱は”ぎい~。。”と、まるで”長年”開けていないかのような、重い音をたてて、やっとそのちっちゃいんだけど重い”扉”を開いた・・
そこで”アリス”が見たものは・・
中を開けると、そこは大きい白い”透明”な空間になってて、アリスが”その”中に吸い込まれて行く・・
中は、”透明”な虹色の光の中で、目が眩いばかりなんだけど、少し目が慣れてくると、
クリスタルの破片が細かく幾重にも飛び 散っていて、雨のように上から降り注いでいた。。その”箱”の外にあった”Nori”姿は消えていたけど、その箱の下にある大きな彼の瞳にうつり変わって、その中にその破片が絶え間なく刺さっていた・・
そしてNoriの大きなその切れ長で”うつくしい”瞳に、そのクリスタルの矢のような雨が絶え間なく降り注いで、その痛みが大粒の泪に変わって”箱”の中で、泣いていた。そんなにホントウは痛 かったんだって、あの時・・
アリスはその時になって”やっと”わかった・・ 長い間の”彼”の本当のくるしみを・・
じぶんが素直になれなかったせいで、こんなにもNoriを長い間、”こころの扉”の中で、苦しめて悲しませてたことを、”やっと”理解した。。
彼の大きな傷ついた瞳の上に立って、そのクリスタルの”破片”が降り注ぐのを自分の”からだ”が通り過ぎていくごとに、”その痛み”を感じて。そしてそれが自分を通り越した後に、突き刺さる彼の瞳から流れ出る泪を見て、やっと自分のことのように”かんじる”ことができたんだ。。
"Crystal Rain..."
それが絶え間なく降り続ける中、Noriはずっとそれを自分の中で”我慢”して、泣いていたのだ・・
”そんなに痛かったなんて、知らなかったよ。。。本当にゴメン・・”って。。アリスも”Noriの大きな”瞳の上で一緒になって泣いている・・
そして暫く一緒に泣いていたら、その”透明な光”が消えて行って、今度は、Noriの姿がまた”元”の大きさになって、”アリス”の肩をやさしく抱き出した。。
- ”やっとわかった?俺の気持ち・・”って。。 -
”これ”によって、アリスはそれを見て、自分のそこまで考えずにしていたことが相手を深く傷つけていたことをやっと”知りった”。
” 渡された、小さな木の心の宝箱の中の、透き通って純粋な無限の空間の中で、クリスタルの破片が幾重にも粉々に飛び散って、その破 片が彼の大きな美しい瞳に突き刺さって心の中で透明の涙を出して泣いている。。”
そんな”アリス”の前に映った”ビジョン”・・
”その気持ち”をお互いに共有して経験した後で、二人の気持ちは以前よりもすこしは”和解”できたような気がしてきた。。
”お互いの気持ちがちゃんと通じていなかった・・ほんとうは・・”という辛い気持ちもまだお互いのすこし胸に残しながらも。
そして、手に手を取ってまた、彼らのの経験しなかった”昔”の自分達に”出逢うため”に、自分達の”作り出した”不思議の国”へと”Noriの母親の反対”を逃れるために、旅に出る・・ ほんとうの”本来のじぶんたち”の姿を見つけるためにも・・
”WHITE RABBIT”を、追いながら・・
そして昔の自分達のことを”より”知る為に、”ふたり”は過去の扉を開けて”旅”に出るのです。
( *ここで、この物語”In My Wonderland”の本編はAliceが”ラビット・ホール”に落ちるところから、”物語り”は始まります・・→ ” Chasing rabbits dropping down to the hole ”
http://mthroughthelookingglass.blogspot.jp/2013/05/chasing-rabbits-dropping-down-to-hole.html )
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