そうしたら「大分良くはなってきてるわよ。ひとりでも歩けるようになったし。」という淡々とした看護婦さんの言葉を聞きながら、やっぱし心配になったNoriは、「なにか欲しい物があるかとか聞いてもらえませんか?」と尋ねてみた。すると看護婦さんが「ちょっと待って」と言って、アリスを探しに行ってるようだったけど、しばらくして「アリスがまた掛け直すから」と言って電話を切った。
そしてNoriはそのまま電話の傍で待ってると、また10分ぐらいしてからアリスから電話がかかって来た。
アリスが出て、「だいじょうぶ?。」って声を掛けると、「うん、この間はだいじな時に来てくれてありがとう。」とちょっとしんみりした感じでNoriにお礼を言った。ちょっと胸がきゅんとしたが。「うん。。」とだけ言ってまたじっと暫く黙っていた。するとそんなNoriに気づいて、”きっと、気遣ってくれてるんだな”と想ったアリスはちょっと胸の中で熱くなってきて、沈黙に”何か言わなきゃ”と想って、「何か欲しいもの」って言ってくれてたし「なにか甘いものが欲しい。くだものとか。。」って言ったみた。
すると「それだけ?」って言うと、GOLDにも聞いてくると言って、すぐに1,2分で戻って来て、「GOLDがね、”オズの魔法使い”っていう本の映画をまた見てみたい、って言ってたよ。」って付け加えた。
アリスも”オズの魔法使い”のことは聞いたことがあって、でもまだ本も読んでないし、本の方はあまり興味がわかなかったんだけど。。(あんまり”子供っぽい(こどものくせに)”とか思っちゃって) 、GOLDがいっぺん見て”すごくよかった。。かんどうした”って言ってたから、アリスもまた見たくなってしまっていた。「明日頼んで借りてくるよ。」と言って、アリスから「あさっては日曜だから一緒にお部屋でみない?ビデオも見れるようにできるし。GOLDと三人で。」って誘ってみた。「お母さんに聞いてみる。」と言ってみたが、是非三人で一度そのGOLDの(めずらしく?)”かんどうした”と言ってた映画を見てみたくもなっていた。アリスたちと一緒に。
そして次の日の土曜日の朝、その日の母親はわりといつもよりは落ち着いていたので、様子をみながらも、「お母さん、”オズの魔法使い”っていう映画がみたいんだけど、ビデオ借りてもらってもいい?」とちょっといつもよりは”いい子”風に頼んでみた。「あなたそんな映画がみたいの?」と言って、なんだか息子がそんな”かわいい”映画を見たいと言いだすと想わなかったから、ちょっといつもとは違った感じでほほえんで、”いいわよ。”と言ってくれた。Noriもそんな母親の姿を見て、ちょっと嬉しくなっていた・・
そしてそのことをまたアリスに伝えて、日曜日の午前中にはまた病院の方に向かって行った。
その日はとっても”天気”のいい日だったけど、今度はこの3人は、Noriが到着してすぐに、部屋の中でふたりのベッドを二つ並べて壁側に横にくっつけて、ビデオを映すテレビを前にして、”劇場のかんきゃく室”を枕を後ろに並べて作っていた。「ここは”特等席”だからよく見えるのよ!w」ってアリスは言いながら、昔テレビで見たヨーロッパの映画の中の装飾品がいっぱいついた”劇場風”に貴婦人が棒の先に付いた”メガネ”で遠くを見下ろしてる風に真似してみた。GOLDは「なにやってるのww?・・」って笑ってたけど、Noriはなんだかアリスがプリンセス風に真似してるんだな、っておもってちょっと可愛くておかしくなって、顔がにやけて半笑いになってしまった。・・
そして部屋のカーテンを劇場風に閉めて”はじまり、はじまり~♪・・”を告げた。
" Somewhere over the rainbow, there is a land that I heard of once in a lullaby "
from the film " Wizard of Oz "
Judy Garland " Somewhere over the rainbow.. "
Judy Garland " Somewhere over the rainbow.. "
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