その日アリスは、
看護婦さん達に気づかれないように、
ベッドの向こう側で、次の日の”冒険”に備えて、”荷物”をまとめていた。。
「何をもって行こうかな・・」って想いながら、
じぶんのお気に入りの服や、人形を、可愛い”がまぐち”のついた
英国調の花柄の入ったカバンの中に詰めていた・・
それを見ていたGOLDが横から口をはさんだ。
「オイ、そんなに長く行くんじゃないから、そんなにいっぱい持って行くんじゃないゾ・・」
って。。
でもアリスは、そんな声も聞こえているのか聞えてないのか、
ちいさく「べッ☆」ってかわいく茶目っ気たっぷりに目でウインクしながら、GOLDの方を向いて言ったもんだから、”Nori”じゃないけど、GOLDまで顔が真っ赤になって、”ドキッ・・♡”としてしまった。
”こいつ、意外とかわいいじゃんかよ・・”
なんか”こころの中の声”がちょっと自分にそんなことを言っているような気がした。。
それでもアリスは、鼻歌を歌いながら、荷造りを続けている。。
”お気に入り”の昔イギリスにちょっとだけ住んでた時に買って貰った、おかあさんの古いこれも花柄の可愛いバッグに入った、アンティークのティーパーティセットなんかまで持って行こうとしていた。。
「そんなもんまで持って行くのか・・・・」って
GOLDはまたちょっと落胆の内に目をまん丸くしたが、
きっともう「言っても言うことは聞かない」のは目に見えていたので、
”何も言わない”ことにして、アリスの好きなようにやらせるようにした。。
「うさぎさん、出てこないかな~♪w」って言って
アリスはその自分の赤ちゃんの時に貰った、”さいしょのおともだち”である
もう汚れてベージュがかった、机の上に置いてあった、服を着た”白うさぎ”を前に抱き上げて”話しかけて”いた。。
アリスはなんか「自分の空想の世界」で遊んでいるようで、
とても”たのしげ”だった。。
そんなアリスの姿を見て、GOLDは”ふ~ッ・・”とため息を最初付いたけど、
”ま、アリスが楽しいんだったら、それでいいか。。”と想って、
今度は何かちょっと、そんな楽しげなアリスの姿を見ながら、ちょっとは
じぶんもまた「うれしい気分」にやさしく浸れている、もうひとりの自分もじぶんの中に見ているような気がした。。
「GOLDは何をもって行くの?」
アリスが聞いた。
「俺は必要なモンしか持って行かないヨ・・」
そう言って、机の横にあった歯ブラシとタオルくらいを”ワシ”掴みにして、
ひょいと小さな自分のリュックサックに入れただけだった。
それを見たアリスは、
「そうなんだ。。”男らしい”ね。。」って言って、
アリスのベッドの頭の上の棚にあった、こちらもお気に入りの昔買って貰った
「Alice in Wonderland」の原作本を手に取って、
”鞄”の中に、入れる前にちょっとまじまじと手に取って、その”表紙”を眺めながら、
ちらっと中身を見てから、自分の”旅行カバン”の中身のいちばん上に大切に置いて、
「はい! 準備完了☆」と言って、
自分の眼の前で、”パンッ”と一回、叩いて、現実に戻る合図をしてみた。。
それを見てまたGOLDは
”ハッ”として、
まるでまたアリスが幻想の世界の中に、ほっといたら逆戻りして行きそうな気がして、心の中で
”ドキッ・・”としてそんなアリスの顔を少し離れた場所から、見ていた。。
アリスはまた、さっき一度カバンに詰めた、赤ちゃんの頃貰ったっていう”白ウサギ”の人形を
胸に抱いて遊んでいる。。
まるで、”かわいい”んだけど、どこかふっと触って押すと、
”幻想”のおとぎ話の国へと、まっさかさまに自分から”落ちていって・・”しまいそうな、
そんな”あぶなっかしい”ガラス細工のクリスタルな透明な光の中にいる、”プリンセス”を見ているような気がして・・
GOLDはまた「自分の手を」彼女の方に引き留めるように、伸ばしているような気がした。。じぶんの「心の中」で。
前回 ” In My Wonderland ” no.22
" We are not CRAZY!! - Heading to the forest for the adventure "
http://mthroughthelookingglass.blogspot.jp/2013/07/we-are-not-crazy-heading-to-forest-for.html
0 件のコメント:
コメントを投稿