「その役割っていうのは・・
君は実生活で彼女の”こころの声”を聞いて、支えててあげて、
ぼくは彼女の耳元で彼女の”こころの唄”を唄ってあげてたんだ。。
吟遊詩人のように。。」
「俺たち逢ったことはないんだよね。。」
「うん、、棲んでるところが違うかったからね。。
でも僕は本当には彼女のことは”直接”には知らないよ。。”君”みたいには・・」
「でも彼女の声が”毎晩のように聴こえる”のはなぜなんだろう・・」
と男の子が言った。
するともう一人が、
「え、でもどうしてそれが”彼女”だってわかるの? ”風の”声かも知れないよ。もしかすると。
そんなに”長い間”逢ってないのなら、どうして”彼女”だってわかるの?
もうじぶんの記憶の中にその声は「忘れ去られて」しまってるのかもしれないよ。。
”見当間違い”をして。。」
「オレはわかるんだ。。あれが”あの子”だって。。」
ってちょっとまた怒ったように返事をした。。
「ほとんどあの頃毎週、毎日のように聴いてたから・・ まるで”子守唄”のように。。」
「まあ、いいや。。君は”恋してた”から、きっと”それ”がわかるんだね。。僕自身はほとんど
彼女の声は知らないから。。(この間聞いて、そんな感じなんだ、、と想ったよ。。) 」
と”もう一人”の男の子。
「そして”あの子”は何て言ってるの?・・」
「オレにもう一度逢いたいっていってるんだ。。またあの時みたいに・・って。。あのか細い可愛いエコーがかった声で、、あの時しょっちゅう”電話口”で聞いてた声みたいに・・ ”かわらず”ぼくに・・」
「可愛いね・・ でもほんとうにその言葉を信じてるの? ほんとうにまた”逢いたい”って。。」
「どういう意味?・・」
男の子は怪訝そうに、眉の間を細めて、もう一人の子を”ちょっと”片目で睨みつけるように言った。。
「なにが? 君の為に言ってるんだよ。。 ほんとうは。」
もう一人の子もちょっと睨みつけられて、性格上チッと想ったけど、スグ想い直して、
”すこし”は年上である風に、気持ちを抑えて言ってみた。・・
「彼女は、ほんとうはもう”僕達のこと”は現実には必要としていないんだよ。。 ”ほんとうのこと”を言うと・・・」
「どうして”そんなこと”がわかるんだ!? 僕は彼女を夢の中でハッキリ見て、そう言ってたんだ・・
あの”やさしい声”で僕にすがるような目をして、”またあの時みたいに逢いたい、話をまた聞いて・・”って。。」
「君は彼女が”今の君の姿”を見て、愛せると想う ? 」って、
ダイレクトにもう一人の男の子が聞いてみた・・
「わからないけど。。。」そう言って、その男の子が口を閉じた・・
「彼女が必要なのは”あの時”の僕達なんだよ・・ 今の”僕達”ではなくて。。
僕達の”役割”はもう、”彼女”がじぶんの過去へと通じる”重い扉”を閉めて、行ってしまった時、
”とっくに”終わってるんだよ。。。じつは・・」
何を言ってるのかと、”男の子”は想ったけど、
”じぶんの聴きたくない”ことばが入っていたので、”耳”をふさぐことにした・・
「でも僕はまだ彼女を”さがしつづけたい”。。きっとこの”空の下”のどこかで”ぼく”を待ち続けているから。。 僕とまた逢うことを願って。。。」
「もし君がそう想いたいのならそうすればいいよ。。うまくいくといいね。。。」
「でも覚えていて。。彼女はその”重い扉”をまた開けるために、
僕達が”ゲートの両脇に立って”その場所の道標をつけてあげて、
その扉が彼女がひとりで開けるには重すぎるから、
”ぼくたち”が必要なだけで、
ほんとうに、実際は、現実には、必要とはされていないことを。。」
そしてもう一人の男の子はまた、つづけた、、”その言葉”を。。
「そして今はまた”別の”人を欲している。。彼女の人生をまたより”前に”進めるために。。
でも今はまた”過去に戻って”精算するために、ぼくたちが必要なんだ、ほんとうは。。。
でも僕達は、ぜったいに彼女の”すべて”になることはないんだよ。。
ただの彼女の壊れた”ピース”の一部でしかないんだ・・
だから彼女は今それを”拾い集めよう”としているだけ。。
終えることのできなかったパズルを完成させる為にね。。」
「ありがとう覚えておくよ・・」
その男の子は最後にちからなく言った・・(半分聞いてはいないようだったけど・・)
「じゃ、がんばって。。もう僕は行くよ。。
でもまた”君の側”に立って、途中で結果を聞きに現れるから・・ きっとまた
その時に逢おう。
ガンバって。。」
「うん、ありがとう・・」
「でも、覚えておいていて。。
”彼女はただ”うさぎ”みたいに自分のしっぽをぐるぐると追いかけているだけ”だから。。
ほんとうは”ぼくたちの姿なんてみていないんだよ。。”、
彼女の本当に見たいのは”自分自身”の姿であって、”僕達じゃない”って。。・・」
そう言って、そのもう一人の男の子は、
透明の白い渦の中に、”彼”にちょっと手を振りながら、
さいごは背中を向けてスモークのように消えて行った・・
もう二度とその”男の子”と
”彼の夢”のなかで逢うことはなかったけれど。。。
- and THESE TWO BOYS are TURNING THEIR BACK and Going to the Opposite Direction in the air and fade away.. -
* These Two Boy are corresponded to "Welcome to "My Wonderland" " in my story " In My Wonderland "..
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