2013年7月21日日曜日

僕のメイヤ・・

男の子

「僕のメイヤ、メイヤ、空から落ちてきておくれ・・」



「私はメイヤじゃないわ。。それにそんな名前じゃない。。」

男の子

「僕のメイヤ、そこから降りてきて、僕を救って・・」



「私はあなたの”想像の産物”で、そこに降りていってあなたを救うことはできないの。。・・」


男の子はそれでも涙を浮かべて苦しそうに”宙”を向いている・・




「あなたそんなひどい顔をしていたのね。。

顔がとっても腫れているわ。。

ほんとにみていた見た目とは大違い・・

ほんとうはそんなに苦しかったんだね。。」


男の子はずっと宙をみつめている。。



「まずはあなたを”そこ”から出してあげるわ。。でないと息もできないから・・」

そういって私は男の子の身体を水中から抱き上げる・・




「まずはそのずっと食道に詰まっているものをださないと・・ もうそれでも息が詰まってしまう・・」


男の子は、背中をずっとさすってあげると、

口の中から、おえっと、苦しそうに、

長年詰まっていた、おおきな臓器のような血の塊を吐きだした。。

そしていったんおさまると、その細い体の中から、じっとその前髪の奥から顔を見ている。。

「君は誰? メイヤ?」

「ううん、ちがうわ。あなたの”イマジナリ―・フレンド”よ。。」

「でもこんなにハッキリ見えるのに・・」

「私は、あなたの傍らに立って、痛みを軽減するために、横に座るしかできないの。。

その痛みを吸い取ることはできないから・・ 」

「そんなこと言わないで・・」

「ごめんなさい、でも、

あなたがもしその痛みを拭い去りたいのなら、自分でやるしかしょうがないの。。

私にはそんな力はないから・・」

「僕のメイヤ、僕を助けて。。」

「あなたは私でしかないから、必要なときはさすってあげるよ。。

その痛みを自分で吐きだすために・・

でもひとりじゃ辛いでしょう。

そんな時、私を呼んでね。。」

「僕のメイヤ、また逢おう・・」

そしてまた”あの子”はひとりで眠りに戻って行った・・

「僕のメイヤ、さようなら・・」

って泪を浮かべて言いながら・・

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