男の子
「僕のメイヤ、メイヤ、空から落ちてきておくれ・・」
私
「私はメイヤじゃないわ。。それにそんな名前じゃない。。」
男の子
「僕のメイヤ、そこから降りてきて、僕を救って・・」
私
「私はあなたの”想像の産物”で、そこに降りていってあなたを救うことはできないの。。・・」
男の子はそれでも涙を浮かべて苦しそうに”宙”を向いている・・
私
「あなたそんなひどい顔をしていたのね。。
顔がとっても腫れているわ。。
ほんとにみていた見た目とは大違い・・
ほんとうはそんなに苦しかったんだね。。」
男の子はずっと宙をみつめている。。
私
「まずはあなたを”そこ”から出してあげるわ。。でないと息もできないから・・」
そういって私は男の子の身体を水中から抱き上げる・・
私
「まずはそのずっと食道に詰まっているものをださないと・・ もうそれでも息が詰まってしまう・・」
男の子は、背中をずっとさすってあげると、
口の中から、おえっと、苦しそうに、
長年詰まっていた、おおきな臓器のような血の塊を吐きだした。。
そしていったんおさまると、その細い体の中から、じっとその前髪の奥から顔を見ている。。
「君は誰? メイヤ?」
「ううん、ちがうわ。あなたの”イマジナリ―・フレンド”よ。。」
「でもこんなにハッキリ見えるのに・・」
「私は、あなたの傍らに立って、痛みを軽減するために、横に座るしかできないの。。
その痛みを吸い取ることはできないから・・ 」
「そんなこと言わないで・・」
「ごめんなさい、でも、
あなたがもしその痛みを拭い去りたいのなら、自分でやるしかしょうがないの。。
私にはそんな力はないから・・」
「僕のメイヤ、僕を助けて。。」
「あなたは私でしかないから、必要なときはさすってあげるよ。。
その痛みを自分で吐きだすために・・
でもひとりじゃ辛いでしょう。
そんな時、私を呼んでね。。」
「僕のメイヤ、また逢おう・・」
そしてまた”あの子”はひとりで眠りに戻って行った・・
「僕のメイヤ、さようなら・・」
って泪を浮かべて言いながら・・
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