2013年7月22日月曜日

Nori君。。

「アリスぼくはずっと君のことがほんとうに好きだったんだよ。。」

もう一人の方の男の子が口火を切った・・

「だけど、君は僕を置いて、どこか遠いところまで行ってしまった・・

僕の指の間をすり抜けて、どこか手の届かないところへ・・

もう僕は君の姿は見えないけれど、

どこかできっと、僕のことも想って立派に生きてくれていると、信じてるよ。。」

私は彼のすぐそばのタロイモの葉っぱの木陰に座っているけど、

彼には私の姿はみえないようだ。。

「いつか逢えると想ってたけど、あれ以来もう逢えないね。。

君の可愛い唇を覚えているよ。。

膝枕してたよね。。

覚えてる?あの日のこと?・・ 

僕は本気だったのに、君は素知らぬ顔で、ずっと僕の膝の上で横を向いていたよね。。

本当は、僕はとってもショックだったんだよ。。あんなに勇気を振り絞って言ったのに・・」

彼は未だにじぶんのあの日の想いを語り続けている。。”宙に向かって”・・

「こんなに言っても、もう聞いてくれないんだね。。アリス・・」

そう言って、男の子は悲しそうに、落胆したように肩を下ろして腕をだらんと下に降ろして

力なく立っていた。。

ちょっと泣きそうになって、また「ひっく、ひっく。。」とあのお母さんに叩かれた次の日のように、

泣き始めたけど、すぐまた「男の子だし・・」と想って、じぶんで泣くのをやめた。。

「僕はもっと強くなるよ。。そしてきっと君をいつか”迎えに行くから・・”。」と言って、

握り拳を垂らした両腕の下に”ぎゅっと”握りしめて、また少し上を向いてから、

くるりと振り返って、私のいる反対方向に背中を向けて歩いて行った。。

そしてその姿が小さくなるころに、

”ガンバって・・”私は小声で囁いた。。


「また逢おうね。。ちいさなNori君・・」

そういって、私もタロイモの葉っぱの影から手を振っていた。。

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