「アリスぼくはずっと君のことがほんとうに好きだったんだよ。。」
もう一人の方の男の子が口火を切った・・
「だけど、君は僕を置いて、どこか遠いところまで行ってしまった・・
僕の指の間をすり抜けて、どこか手の届かないところへ・・
もう僕は君の姿は見えないけれど、
どこかできっと、僕のことも想って立派に生きてくれていると、信じてるよ。。」
私は彼のすぐそばのタロイモの葉っぱの木陰に座っているけど、
彼には私の姿はみえないようだ。。
「いつか逢えると想ってたけど、あれ以来もう逢えないね。。
君の可愛い唇を覚えているよ。。
膝枕してたよね。。
覚えてる?あの日のこと?・・
僕は本気だったのに、君は素知らぬ顔で、ずっと僕の膝の上で横を向いていたよね。。
本当は、僕はとってもショックだったんだよ。。あんなに勇気を振り絞って言ったのに・・」
彼は未だにじぶんのあの日の想いを語り続けている。。”宙に向かって”・・
「こんなに言っても、もう聞いてくれないんだね。。アリス・・」
そう言って、男の子は悲しそうに、落胆したように肩を下ろして腕をだらんと下に降ろして
力なく立っていた。。
ちょっと泣きそうになって、また「ひっく、ひっく。。」とあのお母さんに叩かれた次の日のように、
泣き始めたけど、すぐまた「男の子だし・・」と想って、じぶんで泣くのをやめた。。
「僕はもっと強くなるよ。。そしてきっと君をいつか”迎えに行くから・・”。」と言って、
握り拳を垂らした両腕の下に”ぎゅっと”握りしめて、また少し上を向いてから、
くるりと振り返って、私のいる反対方向に背中を向けて歩いて行った。。
そしてその姿が小さくなるころに、
”ガンバって・・”私は小声で囁いた。。
「また逢おうね。。ちいさなNori君・・」
そういって、私もタロイモの葉っぱの影から手を振っていた。。
0 件のコメント:
コメントを投稿