「ねえ、君はほんとうに好きな子はいるの?」
って例の男の子がまた聞いてきた。
「さいきんよくでるね、君。。」
私は言った。。
「うん、君が自分で答えをみつけるまでは、僕はまた逢いに来るよ・・」
って。
「やさしいね。。」っていうと、
「だれでも一人では大変だからね。。」って。
「よくわかるよ。。」って。
「僕も君と同じく、子供の頃大変な目にあったから、人のことが真っ直ぐに愛せないんだ。。。」
「君はどんな子が好きなの?」私は聞いてみた・・
「お母さんみたいな人かな、、僕お母さんの記憶が殆どないんだ。。小さい頃、僕を置いていなくなっちゃって。。」
「そうなんだ。。」ちょっと私は可哀そうになった。。この子だってまだ小さいし、私の子供になってもおかしくない程の歳だ。。(”今見える姿”は、だけど。。ほんとはちがうのかも。。)
「たいへんだったね・・」ってそっというと、ちょっと涙ぐんでた。。
「あんまりそういうこと、言ったことがないんだ。。お母さんが恋しいって。。」
「ま、男の子だからね。。あまり人には言えないよね。。そう想ってても・・」
なんだか本当に可愛そうになって来て、その子をちょっと抱き寄せた。。
少ししたら、ちょっともう我慢できないみたいに、ひっくひっくと泣きだしたけど、
もうちょっと、私の胸の中で泣きやむまで、じっと待っていた。。
「ありがとう。。ちょっと楽になったよ・・」
その子は暫く泣いてから、赤い目をこすりながら私に言った。。
「もしまた泣きたくなったら、来ていいよ。。」
なんだかちょっとこの子の”お母さん”になったような気分だ。。
「ありがとう。。やさしいね。。僕のお母さんもそうだったのかな・・」ってちょっと宙を見つめていた。。
「いつからいないの?お母さん。。」っていうと、
「もう5歳くらいの時には、もういなかった気がする。。」ってちょっと寂しそうに言った。。
「色々あるよね、人生。。」もう私はそれだけしか言えなかった。。
私よりも辛い思いをしてる子は沢山いる。。
また男の子はその”声”を聞いて泣き出しそうになったけど、こらえていた。
「君もいろいろあったみたい。。」って。私のことまで気遣ってくれた。。
「でも話しやすいよね。。”同じ痛み”を抱えてる人間って。。なぜか心がほこっと安心する。。」
「そうね。。」私はそういって、その子の頭を撫でてみた。
さっきよりは明るい顔になって、ちょっと「べっ」と茶目っ気たっぷりに舌を出して
笑わそうとしたり。。
”なんだかかわいい子だな・・”って想って、
私も昔「こどもが欲しい」って言われたことがなんべんかあって、
でも、けっきょく子供は今まで持たなかったけど、
じぶんの子供が不幸になる事だけは避けたいと想ってたので、
この子の辛さが身に沁みるようだった。。
「ちょっとは元気になった?・・」聞いてみると、その子は無言で「うん」と頭を前に降った。。
「ありがとう、また近いうちに会おうね。君のやさしさに触れられてよかったよ。。」
その子はそう言って、また「バイバイ」って手を振って、
「また来るよ!・・」って言いながら。。宙に消えて行った。。
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