2013年7月20日土曜日

夢見るたまご。。

少女

「あの人達は”さかな”を追いかけているの。。

もう”さかな”なんてとっくにいないのに、ね。。」



「さかな?・・」





「そのたまごの中には

何が入っているのか、

おしえてくれるかな?」

少女

「それは教えられないわ。。」




「僕もそのたまごの中にいる鳥をみたことがある。。」

少女

「その鳥はいまどこにいるの?」



少女

「いるよ。。ここに、

ここに、いるよ。。。。」



「・・・・」

少女

「ここにいるよ。。私が温めて孵すの。。」



「知っていたよ。。。。」




「何か聴こえるかい?」

少女

「小さな息をする音、鼓動が聞こえる。。」



「それは君の心臓の音だよ。。」

少女

「羽根の音も。。きっと空を飛ぶことを夢見てるのね。。

”あなた”にも見せてあげたい。。」



「それは”外”の風の音だよ。。」





「僕も君もきっと

あの魚のように

とっくの昔にいなくなってしまった人たちの

記憶でしかなくて

ほんとうは

”誰もいない世界”に

”雨が降ってる”だけなのかもしれないと。。。」



( * 「天使のたまご」
引用 )

0 件のコメント:

コメントを投稿